災害図上訓練~ハザードマップについて~

災害図上訓練~ハザードマップについて~

防災の日

今回のYANAGIBASHIかわらばんは看護部の武田が担当します。

さて、9月1日は防災の日です。

今年は関東大震災から100年の節目の年でした。関東大震災は神奈川県西部を震源とするマグニチュード7.9の地震が発生し、死者・行方不明者は105000人余りにのぼったそうです。このような自然災害はいつ私たちに襲いかかってくるかわかりません。だからこそ備えや想定訓練が重要になります。

台東区災害医療図上訓練

台東区では9月3日(日)に「台東区災害医療図上訓練」というものが行われました。
私は永寿総合病院の一員として初めて参加させて頂きました。その時の様子を皆さんにお伝えしたいと思います。

まず初めに、害図上訓練とは地域で大きな災害が発生する事態を想定し、地図と地図の上にかける透明シート、ペンを用いて、危険が予測される地帯または事態をシートの上に書き込んでいく訓練のことです。これが、いわばハザードマップの役割を果たし、事前に危険を予測できることと同時に、避難経路、避難場所、即応性ある避難準備の徹底、地域住民や関係機関において如何なる対策や連携が必要かの検討など、参加者の間で共有することが可能となるとされています。

ハザードマップの作成

初めにハザードマップを作成していきます。

ハザードマップとは自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したもので防災マップと呼ばれることもあります。

台東区の番地までしか記載されていない白地図を使用し作成していきます。白地図には6か所の緊急救護所(発災直後から72時間程度までの間に病院の近接地に区が設置する医療救護所)が書き込まれています。その地図に災害拠点病院(永寿)、災害拠点連携病院(台東・浅草)、災害医療支援病院(浅草寺・上野・同善・土田・柳橋)、緊急告示医療機関(永寿・浅草・台東・浅草寺・滝口外科胃腸科整形外科)に指定されている医療機関の住所をもとに赤丸シールを貼っていきます。次に避難所医療救護所に指定されている11の小学校・区民間に青丸シールを貼ります。最後に二次避難所に指定されている13の福祉施設に緑丸シールを貼ります。

■イメージ図

予め紫色斜線(建物倒壊危険度4及び5の地域)と赤枠(火災危険度4及び5の地域)が記入されている透明ライディングシートを先ほどの白地図に重ねて貼るとハザードマップが出来上がります。ちなみに昭和通りと蔵前橋通りは通行規制がかかっている前提です。

次に課題が出されます。例えば台東病院が受け入れ不可の患者を永寿総合病院が受け入れる場合、建物倒壊危険度地域・火災危険地域を避けながらどのルートで搬送するかをこのハザードマップを使いながら検討しました。
また、搬送の際、救急車が使えない場合どのような手段で搬送できるのかを検討しました。自家用車、リアカー、担架などが挙げられていましたが、人力車を挙げていたチームがありました。観光地である台東区ならではの手段だなあと感心しました。
また、大量の負傷者が緊急医療救護所に押し寄せ飽和状態になった場合、近隣で使用できそうな施設、公園や広場はあるのかを検討しハザードマップに丸印をしました。これでハザードマップの作製は終了です。

私は台東区民ではないので土地勘もないのですが、ハザードマップの作製を通じて赤枠で囲まれている北東部地域で建物倒壊、火災被害が起こる危険性が高いことが理解できました。ちなみに、蔵前、柳橋、浅草橋近隣は建物倒壊、火災危険度は低い地域です。

ザードマップは防災の基本と言われています。

お住い近隣の危険な場所、安全な場所、最寄りの避難所、避難所までの道順を確認してみてください。ただ、見て確認するだけではなく、実際に避難所まで歩くことが推奨されています。台東区のホームページにアクセスすると「地震・火災」と「水害・土砂災害」別に見ることができます。また、国土交通省のホームページからも見ることができます。

今年は猛暑で日中の外出は熱中症などの危険が伴います。もう少し秋めいてきたら、ご近所の方々を誘ってお散歩がてら避難所まで歩いてみてはいかがでしょうか。


出典:「ハザードマップ」「フリー百貨事典ウキペディア日本語版」
ハザードマップ - Wikipedia

今回のかわらばんは以上です。
次回もお楽しみに!!
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