みなさんこんにちは、リハビリテーション科、理学療法士の伴です。
突然ですが、「登山」はお好きでしょうか?
私は昨年、体力強化のために登山を始め、今ではその魅力のとりこになっています。
登っている最中はとても苦しく、何度ももうやめたい、と思いますが、諦めず、休みながら少しずつでも一歩一歩足を前に進めていけば、振り返った時にはいつのまにか、麓を見下ろす遥か彼方まで登ってきたことに気づきます。
そして、頂に辿りつけば、日常では見ることのできない格別の風景に出会い、大きな達成感を感じることができます。一方で思いもよらぬ悪天候やトラブルに襲われたり、時には目の前にある頂上を目前に引き返す判断を迫られたり、休みをとって遠くまで来たのに登ること自体をあきらめなくてはならなかったり…陳腐な表現ですが、まるで人生のようだと思います。
木曽駒ヶ岳
大雪山
上高地からの穂高連峰
理学療法士としての視点で「登山」を「運動」としてひもといていくと、色々と興味深いことがわかります。現時点で登山を運動生理学的観点から研究した唯一の書籍である「登山の運動生理学とトレーニング学」(山本正嘉著)から重要と思われる点を引用すると…
主に、
に分類できるようです。
などが挙げられますが、これは、運動療法の効果は一般的なイメージよりも相当量きつい、たくさんの運動をすることが必要である、など最近の運動生理学に関する研究結果とも一致します。
もう一点、興味深いのは、「体力維持のための山登りの最低間隔」についての仮説の紹介です。体力を維持するためには、40歳以下では3ヶ月に1回、年間4回の登山で体力が維持されるのに対して、加齢とともにその感覚は狭まり、50歳以上60歳未満では2週間に1回、年間24回の登山が必要となり、80歳以上では4日に1回、年齢と同回数程度の年間登山日数が体力維持のために必要かもしれない、とのことです。
とはいえ、実際に登山に頻繁にいくことはなかなか難しいかもしれませんが、少なくとも、登山を運動生理学的に分析した結果から健康や体力維持のために日常生活に活かせる知識が得られるとすれば、
ということが効果的と言えそうです。
加齢とともに運動する頻度を増やさなければいけないというのは、ちょっと大変ですね💦
しかし、三浦雄一郎さんのように高齢になってもエベレストに登れる方もいらっしゃいます。少なくとも、高齢になっても運動することで体力・筋力が増強することは科学的にも証明されています。
もちろん、みなさまひとりひとりの体調や、体力レベルによって適切な運動内容は変わってきます。当院のリハビリテーション科スタッフに相談いただければアドバイスいたします。是非お気軽にお声掛けください!