当科は、一般・消化器外科として、悪性を中心とした各種の消化器疾患、乳腺、血管疾患、ヘルニア、痔疾患などの治療を行っています。とくに消化器は「食道・胃・十二指腸」、「肝・胆・膵」、「小腸・結腸・直腸」の各臓器の専門家を中心にチーム医療に取り組んでいます。
愛甲 聡(あいこう さとし)
1986年慶應義塾大学医学部卒,慶應義塾大学病院,さいたま市立病院、ルイジアナ州立大学メディカルセンター、防衛医科大学校外科専任講師兼上部消化管外科科長を経て2010年より当院外科勤務。
永寿総合病院外科では、患者さんの手術に対する抵抗感を少しでも和らげ、術後の疼痛の低減や短期間での回復を目指して、腹腔鏡手術などの低侵襲治療を推進してきました。癌の進行度などによっては開腹手術を行なわざるを得ない場合もありますが、図1、2に示しますように比較的頻度の高い胃癌、大腸癌では腹腔鏡手術が標準的治療になっています。
2013年からは大腸癌の腹腔鏡手術に、術後早期回復プログラムを組み合わせることにより、術後5日目の退院も可能となり、短期入院を希望される多忙な方のニーズにも十分答えられるようになっています。当科の特色として、肝切除などのより高度な手術にもいち早く腹腔鏡手術を導入し、多くの肝臓癌や転移性肝腫瘍の患者さんに用いてきました。良性疾患においても、昨年はソケイヘルニアの74%、虫垂炎の98%に腹腔鏡下の根治術を行い、良好な成績を得ています。さらには、アカラシア、食道裂孔ヘルニア、直腸脱、腹壁瘢痕ヘルニア、イレウスといった疾患にも積極的にこの方法を導入しております。さらに2024年からは手術支援ロボットを導入予定とし、低侵襲手術をさらに進化させてまいります。
もうひとつわれわれが推進している医療について述べておきます。
外科に入院される方の中には癌の患者さんがたくさんいらっしゃいます。癌の患者さんは、発見された時の病状・病期が様々ですので、全員がすぐに手術の対象となる訳ではありません。完全に取りきれないことからまずは抗癌剤治療の対象となる方や、先に抗癌剤治療をしてから手術した方が再発が少ないと判断される方、また心臓や肺が悪くて手術が困難な患者さんもいらっしゃいます。そして、手術した後の病理診断で、再発の危険性が高く予防的治療の追加が必要と判断される方や、手術後の経過観察中に再発する方もいらっしゃるので、癌の患者さんの半数近くは抗癌剤治療(化学療法)を受けることになります。化学療法の進歩は著しく、効果の認められた方法のみを疾患別のガイドラインに基づいて行っていきます。その多くは外来での投与が可能となり、副作用を抑える様々の薬剤も開発されてきましたので、多くの患者さんが社会生活を送りながら治療を受けています。
適応のあるあらゆる化学療法を行った後、その効果が限界に近づき、このまま治療を続けても体力だけが奪われて逆効果になると判断したとき、当院では患者さんと相談の上、4人の専門医のいる緩和ケア科の併診を開始いたします。治療を続けながらでも、痛みを取り除くなどの緩和治療を受けることができ、できるだけ平穏な生活を送っていただくための緩和主体の診療にスムースに移行していくことができます。当院は化学療法や緩和ケアといった専門的知識を有する人員の配置とそれを提供する診療体制が整備されていることが評価され、「東京都がん地域連携モデル病院」に選ばれたことがあります。化学療法に精通した医師や薬剤師・看護師による外来化学療法室の整備と、緩和ケアの専門医が運用する緩和ケア病棟が、地域の癌患者さんの診療を行う上で理想的であると判定されたものと考えています。
最近では、癌治療を必要とする患者さんの高齢化も進み、医学的に最適な治療に留まらず、個々の患者さんの社会的状況や人生設計を勘案したオーダーメードの医療の提供が必要になってきました。これには、入院時よりメディカルソーシャルワーカーや退院支援ナースなど、多職種のチームでの対応により、様々な選択肢の中から最善の解決策を導き出していきます。
ここまで永寿総合病院外科の2つの特色、最新の外科治療とあらゆる局面に対応できる切れ目のない癌治療の体制について述べさせていただきました。われわれは地域の皆様が安心して医療を受けられるように、これらの特長をさらに発展させ、地域医療の中で与えられた使命を果たしていきたいと思っております。
当科では、肝(肝細胞癌、転移性肝腫瘍)、胆(胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌、胆石症、総胆管結石、胆嚢ポリープ)、膵(膵癌、膵嚢胞性腫瘍(IPMN, MCN, SPN, SCN))、脾(脾腫、脾腫瘍、血液疾患)など幅広く悪性・良性疾患を対象として診療致します。とくに、肝胆膵領域では悪性度の高さや手術治療の複雑性などから高い診断・治療技術が必要です。
当科では、消化器外科専門医および内視鏡外科学会技術認定医により、安全で質の高い治療をご提供できる準備を整えています。①体に負担の少ない治療 ②あきらめない治療 ③術前から術後までの全人的なサポート体制 をモットーとして取り組んでいます。
当施設では平成12年(2000年)より、緩和ケア科病棟を併設しております。癌に対する積極的な治療が困難になった癌患者さまにも、緩和ケアチームと連携をして一貫した治療が継続できる体制が整っています。
愛甲 聡 (あいこう さとし)
医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本食道学会食道外科専門医・食道科認定医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
日本臨床外科学会評議員
大島 剛 (おおしま ごう)
医学博士
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医・指導医
消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本肝胆膵外科学会高度技能専門医・評議員
日本消化器内視鏡学会専門医
日本肝臓学会肝臓専門医
慶應義塾大学医学部客員講師(外科学)
杉浦 清昭 (すぎうら きよあき)
医学博士
日本外科学会外科専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
大腸肛門病専門医
日本ロボット外科専門医 国内B級
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
青山 純也 (あおやま じゅんや)
医学博士
日本外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本食道学会食道科認定医
日本食道学会食道外科専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器外科学会専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医(胃)
ロボット支援手術認定医(Da Vinci)
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
尾原 秀明 (おばら ひであき)
慶應義塾大学医学部外科 准教授
慶應義塾大学病院外科(一般・消化器) 診療科部長
慶應義塾大学病院臓器移植センター センター長
日本外科学会指導医・専門医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本移植学会移植認定医
心臓血管外科修練指導医・専門医
日本血管外科学会認定血管内治療医
日本脈管学会認定脈管専門医
腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術実施医
五十嵐 直喜 (いがらし なおき)
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本消化器管学会専門医
関 大仁 (せき ひろひと)
医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本乳癌学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
マンモグラフィ読影認定医
日本抗加齢医学会専門医
前田 日菜子 (まえだ ひなこ)
日本外科学会専門医
日本乳癌学会乳腺認定医
マンモグラフィー認定医
乳房超音波認定医
小山 恭正 (こやま やすまさ)
日本外科学会専門医
加藤 達樹 (かとう たつき)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | 当番制 |
杉浦 清昭 青山 純也 |
当番制 |
大島 剛 |
愛甲 聡 |
(初診外来) |
(乳腺外科) |
(乳腺外科) 【完全予約制】 (1週) (2・4・5週) 亀山 友恵 (3週)
|
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午前 処置室 |
慶應医師 |
ー |
ー | 加藤 達樹 | ー | ー |
午後 |
小山 恭正 |
青山 純也 | ストーマ外来 【完全予約制】 (2・4週) |
愛甲 聡 大島 剛 杉浦 清昭 |
(血管外科) 尾原 秀明 初診 14:30まで 再診 15:00まで |
ー |
(心臓外科) |
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