教育についてリハビリテーション科採用サイト

はじめにIntroduction

理学・作業・言語聴覚士を取り巻く環境は、医療技術の高度化、活動する領域の多様化など大きく変化しています。さらに、理学・作業療法士協会の教育改定により、実習の見直しがなされ、入社した後の卒後教育がより重要視されるようになりました。

実際の臨床現場では、社会背景の変化に合わせて、多くの知識や医療技術が求められます。ですが、養成校での卒前教育だけでは臨床現場で働くための能力すべてを身につけることは困難です。また、専門的な知識や技術だけではなく、コンプライアンス(規律・服務)、コミュニケーション能力、リーダーシップなど、社会人としての様々な能力も必要とされます。

当院では、協会の教育規定を満たしながら、急性期・回復期・生活期すべてのフェーズの役割を理解・経験できる、充実した教育プログラムを提供しています。3つの職種で共有できる教育内容を考慮し、クリニカルラダーをもとにした計画的な教育を実施しています。教育内容は、臨床における基本的な知識や技術だけでなく、社会人としてのルールやマナーを養い、専門職としても組織人としても成長できるように設計されています。

当院の新人教育プログラムを通じて、自らの課題を見出し、地域や組織に貢献できるセラピストへ成長することを期待しています。新入職員の皆さんには、この教育内容を作り上げる軸となる「理念」を理解して頂き、それを達成するための「目的」や「クリニカルラダー」についても学んでいただきます。
皆さんが当院での教育を通じて、信頼ある医療提供者として成長されることを心よりお待ちしています。

永寿総合病院 / 柳橋分院 リハビリテーション科
統括科長 山田

教育理念educational philosophy

『信頼される医療を実践し、地域に還元できる人材を育成する』

教育目的educational purpose

施設の理念に基づいて、組織人として行動し、
社会人として自律したセラピストの育成をする

当院の理念や部署方針など、自施設に対する理解を深め、それを実現するために組織の一員として何をするべきか、自分自身の役割を認識する。また、社会人としてのマナーを身につけ、組織の一員として適切な対応や行動ができるように努める。

他職種と協働して、安全で効果的なチーム医療を推進できる

円滑に仕事をすすめていくうえで、職場の良好な人間関係は不可欠となる。職場内での「ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)」を心掛け、情報の共有やチームとして迅速に対応することの重要性を理解する。

将来の目標を設定し、科学的根拠に基づいた
知識・技術を修得できるセラピストを育成する

信頼ある医療を提供できるため、日々の自己研鑽と能力開発ができるように努める。また、自分の目標を明確にすることで、自施設での役割と目標をすり合わせることが、自発的な学習継続に有用となる。

OJTとOFF-JTを活用し、円滑な教育体制の構築を図る

臨床実践能力を高めるために、日常業務内での職場研修、いわゆるOJT(On the Job Training)や業務を離れて施設内外で行う研修であるOFF-JT(Off the Job Training)を組み合わせ、計画的に、継続的に実施し、知識・技術の習得を図る。

セラピストに求められる
臨床実践能力educational purpose

当院では、安全で質の高いリハビリテーションを提供するために必要なセラピストの臨床実践能力を重視しています。
この能力の中核となるのは『専門職・組織人としての基本的姿勢と態度』であり、これには5つの下位項目が含まれます。

第二の要素として『リハビリテーション専門技術』があり、治療を提供するために必要な技術が含まれています。
これには3つの下位項目があります。

第三の要素として『管理的側面』があり、臨床業務を遂行するために必要な能力を指します。
これにも3つの下位項目が含まれています。

これらの三つの要素を習得した後は、勤務先で必要とされる能力や自身の得意分野をさらに追求し、職域を拡大するなどの発展的な目標を設定することが期待されます。
これらの構成要素からなるセラピストの臨床実践能力は、養成校での卒前教育を土台にし、当院での卒後教育を通じてさらに向上させることが求められます。

今後の到達目標を設定する際には、当院の『クリニカルラダー』を参照しながら計画を立てることができます。
また、当院では新入職院が入職後おおよそ1年以内に達成することが望ましい目標をスケジュールと共に設定していますので、教育担当者と到達度を共有しながら進めていくことができます。

当院のクリニカルラダーclinical ladder

教育の概要Education overview

OJT(業務を通じての研修)

教育担当者・スタッフが業務を通じて、または職務と関連させながら、新人教育を指導・育成する研修

特徴

  • 個性や能力のレベルに応じて、日常的な業務の中で、個別に実践的な指導が可能

OFF-JT(職務を離れての研修)

職場の中で、業務とは別に設けて行われる集合研修、または外部で開催される研修に参加する形で行われる研修

特徴

  • 日常業務では得られにくい知識や技術を修得しやすい
  • 効率性は高いが、全員の理解度を等しく高めることは困難

新人研修における
組織の体制educational SYSTEM

当院では、新人研修においてリハビリテーション科全体で教育を行う組織づくりを進めています。新入職員に対して直接指導を行うのが教育担当者です。教育担当者は、OJT(On the Job Training)を軸とした技術指導を含む業務全般の指導を行います。また、業務の遂行具合や進捗状況を指導し、フィードバックを行います。

リハビリテーション科全体で教育指導ができるように、スタッフには領域別講習会の実施協力や業務フォローを依頼しています。リハビリスタッフは教育担当者の依頼を受け、教育スケジュールに沿って講習による指導や業務の助言を行います。

研修責任者は、指導状況の確認と調整を行い、新人教育の援助や相談を受ける役割を担っています。

新入職員の皆さんには、偏りのない教育を届けるためにリハビリテーション科スタッフ全員で関わりを持てる教育研修システムを構築しています。