7月11日(木)19時半より、当院にて地域医療連携セミナ―『歩くを地域で支えるⅣ』をZoomによるオンラインと対面のハイブリット形式で開催しました。ご視聴ならびにご参加いただきました医療機関様、ありがとうございました。
昨年度からシリーズで開催している「歩くを地域で支える」、今回は4回目の開催となります。
副院長 整形外科 主任部長 井口理が座長を務め、元浅草いけだクリニック院長の池田淳先生をお迎えし、「骨粗鬆症診療と地域連携の必要性」というテーマでご講演いただきました。
超高齢社会において、健康寿命をいかに延伸できるかが大事であり、介護・支援が必要となった原因として骨折・転倒など運動器疾患・障害は24.8%にのぼり、さらに2030年には、大腿骨近位部骨折患者が約30万人発生すると推計されていると解説、骨粗鬆症健診受診率を向上させることが重要だと語られました。池田先生のクリニックで行っている骨粗鬆症の検査方法として推奨されている骨密度測定のDXA法についてお話しくださいました。
選択肢の多いさまざまな骨粗鬆症治療薬についても、治療薬ごとの骨密度・骨質への影響や年齢や骨折型によってどのように選択したらよいか解説していただきました。
令和4年度の診療報酬改定のポイントや施設基準、診療報酬算定の流れをふまえ、骨粗鬆症患者の地域連携について、手術適応(骨折や圧迫骨折)患者の紹介、DXA法などの骨密度測定の依頼、骨粗鬆症の治療継続と運動器リハの逆紹介など、当院と地域診療所やクリニックとの地域連携について語られました。
また、大腿骨近位部骨折後1年間に骨粗鬆症薬物治療が行われた患者はわずか18.7%で、行われなかった患者の割合は53.3%であることをあげられ、骨粗鬆症リエゾンサービス※ による骨折予防の必要性についてお話しされました。
最後に、医療DXについても触れられ、ネットワークを通じて共有システムの構築が図れると地域連携の課題も解決していくのではないか、と締めくくられました。
※日本骨粗鬆症学会が策定した骨粗鬆症の啓発・予防・診断・治療のための多職種連携システム
Zoomによるハイブリット開催ではありますが、会場にて多くの医療機関様、医療従事者の皆さまのご参加をお待ちしております!
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