6月28日(水)19時より、当院にて地域医療連携セミナ―『歩くを地域で支えるⅢ』をZoomによるオンラインと対面のハイブリット形式で開催しました。ご視聴ならびにご参加いただきました医療機関様、ありがとうございました。
今回は、同善病院副院長・同善会クリニック在宅医療センター センター長の小笠原雅彦先生を座長にお招きし、「歩くにかかわる皮膚の話し」というテーマで、当院の皮膚科部長 和田直子が講演を行いました。
「歩けません!」という状態で受診されることが多い、蜂窩織炎(ほうかしきえん)。
皮膚のふわっとした赤みや濃い赤み、水泡や紫斑を伴う症状は、皮膚・皮下脂肪織の細菌感染症であること。起因菌とそれぞれの症状に有効である抗生剤の種類について解説。蜂窩織炎の入院生活でADLが落ちて歩けなくなり、自宅に帰れないということがないように、入院期間を最短にするべく、十分な抗生剤投与や早期リハ介入、長引く痛みや下肢の浮腫があっても感染が終息したら退院できるように入院時からの退院調整に一番力を入れている、とお話しました。
次に、蜂窩織炎と似ている疾患として、痛風・偽痛風・滑液包炎・うっ滞性皮膚炎・うっ滞性脂肪織炎について解説。装着しやすく、効果のある弾性ストッキングについての紹介もあり、講演後には参加者から弾性ストッキングについての質問もありました。
そして、歩くと痛い疾患として、胼胝(たこ)・鶏眼(うおのめ)について、解説。治療中に気が付くこともある潰瘍、膿瘍は、入院から外来治療に移行する際に傷を踏まないためにフェルト絆で除圧する方法を紹介。ここでも、入院が長くなることを防ぎたい想いをお話しされました。
腱、骨が近い足趾にある鶏眼は、骨髄炎からアンプタへと悪化するケースもあり、それを防ぐためにも胼胝・鶏眼は必ず削るという治療の重要性についてお伝えしました。
最後に、爪について。肉芽の下に刺さっている爪の切除方法や爪のテーピング方法、巻き爪の正しい切り方について解説。爪が肥厚する爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)についてのテーピング治療についてもお話しました。
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