開催報告 オレンジカフェ(2025.03.11)

開催報告 オレンジカフェ(2025.03.11)

2025年3月11日(火)に、オレンジカフェを開催しました。
今回は、当院 脳神経内科 井上医師と、メンタルケア科 黒田医師が講演を行いました。

認知症リスク低減の12のポイント

前半は井上先生による、アルツハイマー病についての詳しいお話でした。
米国では65歳以上の10%がアルツハイマー病を有すると推定されるほど、加齢とともに発症・進行する可能性の高い病気で、
男性よりも女性のほうが2倍の頻度でみられます。

驚くべきは、アルツハイマー発症の原因となる、脳内で作られるタンパク質の一種「アミロイドβ」の沈着は、
症状発現の10〜20年以上前から始まっているという点です。

長い時間をかけて少しずつ進行していく脳疾患なので、

早いうちから対策すれば、進行を遅らせたり発症を効果的に予防できるそうです。

認知症リスクを低減できる日々の心がけとして、以下の12のポイントがWHO(世界保健機構)から提示されています。
気になる点がある場合は気をつけて生活するようにしましょう。

認知症に見られる行動心理症状とは?

後半は、黒田先生による認知症の行動心理症状についてのお話でした。
認知症における心理症状のなかでも、「妄想」の症状がダントツで多いそうです。

  • 物盗られ妄想
  • 嫉妬妄想
  • 被害妄想


この3つの例が代表的で、男性よりも女性に多く見られるのが特徴です。
認知症による行動心理症状を引き起こす要因については、

  1. 薬の影響や副作用
  2. 身体の不調によるもの
  3. 環境や状況の変化
  4. 人間関係

など、さまざまな事象が関わっています。

目に見える認知症の症状の裏にある要因を見極めて、的確な対処をとることが大切です。


質疑応答の時間では、参加者のお一人から
「”怒られた”という言葉をよく使う方がいて、なにかとネガティブに受けとめがちになっている。これも認知症の症状なのでしょうか?」
という質問があり、
黒田先生からは、

  • 周りの対応の仕方のせいで自信を無くしていらっしゃるのではないか
  • 周りの人たちが対応を見直すことで、進行を遅らせることにつながるのでは?

というアドバイスが伝えられていました。

覚えておきたいのは、認知症の症状は、脳の変化の結果起こっているということです。
そのうえで、症状があっても感情は保たれていて、本人は不安の中にあることもあり、より身近な人に対して症状が強く出てしまいがちです。
決して意図している行動ではないということを理解しておくことが大切です。
たとえ認知症になっても、残された能力は十分にあります。
尊厳を持って接すれば、症状があっても充実感を持ち、安心して暮らせるそうです。

今回のオレンジカフェは、患者さんご本人、ご家族、介護者のそれぞれが、認知症に対する理解を深めるいい機会となりました。
私たちも患者さんを落ち着いて観察し、寄り添った看護ができるよう、勉強していきたいと感じました。
オレンジカフェをはじめ、いろいろな機会に参加して身体を動かしたり頭を使って話を聞くことは、脳への良い刺激となります。
できる事から始めて、永く元気を保っていきましょうね。

オレンジカフェは、認知症の方やそのご家族、介護・医療の専門職、地域の方など誰でも気軽に参加でき、
安心して過ごせる集いの場所です。
お気軽にお越しください、お待ちしております。