第3回 公開講座『嚥下と栄養』開催報告

第3回 公開講座『嚥下と栄養』開催報告

公開講座『嚥下と栄養』を開催しました

3月8日(土)、当院多目的ホールにて、『嚥下と栄養 ~食べる喜びを支える!健康な食事と嚥下機能~』と題して、
リハビリテーション科が主催する「第3回 公開講座」を開催いたしました。
寒い中、足をお運びいただいた地域の方々、今回初めてご参加くださった方、会場にお越しいただきありがとうございました。

セミナー前半では、嚥下と栄養について、当院の理学療法士と栄養士がスライドを使ってお話ししました。

フレイルとは?

フレイルとは、加齢に伴って心身的にさまざまな衰えを感じ始める状態のことを言います。
早い段階で適切なケアをすれば、健康な状態へ回復できる可能性が高いです。

フレイルの予防法
  1. 運動
  2. 栄養と口腔機能
  3. 社会参加

この3つのバランスが大切になります。
中でもフレイルは低栄養との関係が極めて強いので、日頃の食生活を整えることで、予防や進行を防ぐことにつながります。

サルコペニアとは?

サルコペニアとは加齢に伴って筋肉の減少や低下が起こる疾患です。
運動不足や栄養不足によってサルコペニアが起こり、さまざまな疾患の羅患率を高める恐れがあります。

サルコペニアの予防法
  1. 適度な運動の持続(有酸素・無酸素運動)
  2. 日中活動量の維持(運動習慣や社会参加)
  3. 十分な栄養素の確保(食べすぎによる過栄養も注意)

生活習慣を整えることが予防には何よりも重要だとお話ししました。

飲み込みと誤嚥とは?

日頃無意識で行っている「飲み込む」という行動はわずか0.5秒で行われ、
加齢により気管の筋力が落ちることで、食べ物が気管に入る誤嚥が起きやすくなります。
ムセる=誤嚥と思いがちですが、実は違うんです。
ムセた時に、食べ物を外に出す力が落ちていることで、食べ物が気管に残ってしまうことで誤嚥となり、誤嚥性肺炎につながる恐れがあります。
誤嚥しないように飲み込む筋力を維持することが大切です。
飲み込む力の確認方法と、筋力を維持する体操を教えていただきました。

バランスのいい食事とは?

栄養士から身体に必要な栄養素について、バランスの良い献立をお伝えしました。
主食、主菜、副菜の3つのそろった食事を用意することが大切です。
いつもの献立を見直し、野菜の小鉢などをひとつ追加するだけでバランスが整った食事になります。
そして、食べることを楽しむことが何よりも大切だとお話しいただきました!

セミナー後半では、栄養士やリハビリ科のスタッフとグループワークを行いました。

配布された「食事日記」を記入し、それをもとにそれぞれの日頃の食生活を振り返りながら意見交換をしました。
栄養士に直接質問をする良い機会となり、参加者のみなさんも積極的に質問をしてくださいました。
栄養士から、
「菓子パンは食事に含まれないので、朝ごはんに食べるなら食パンにしてみましょう」
「お料理に合わせて、好きなお酒を適量飲むのはいいと思います」
など、具体的なアドバイスをさせていただきました。

また、リハビリテーション科のスタッフに、筋力維持に効果的な運動について相談もでき、
みなさんと積極的に会話や質問をすることができ、楽しい時間を過ごすことができました。

公開講座に来てくださる方の年齢層は高めなのですが、元気な方ばかりでいつも驚かされます。
地域のイベントに積極的に参加して、たくさんの方とコミュニケーションすることが、やはり元気の秘訣なのでしょうね!

地域の方との交流の場を設け、楽しく有意義に、来てよかったと感じてもらえる公開講座を来年度も開催してまいります。