鼠径ヘルニアとは、図1のように、腹部臓器を覆う腹膜という構造物が弱くなってしまう状態のことです。原因としては、加齢による腹膜の脆弱化、立位での仕事など腹圧がかかることが多い、過度の便秘などが考えられています。
鼠径ヘルニアに対する根本的治療は手術療法です。図2のようにメッシュと呼ばれる人工物を腹膜に貼り付けることで腹膜を補強します。
鼠径ヘルニアに対する手術療法は様々なものがありますが、当院では最も一般的に行われている2つの方法を用いています。簡単に言えば、図3の様に、腹膜を内側から補強する腹腔鏡手術と外側から補強する前方アプローチ手術の2通りで、どちらもメッシュを用いて補強します。
患者さまの状態やニーズに合わせて最適な治療法を行っております。入院での治療を基本としており、3泊4日が平均的な入院日数です。それぞれの手術法の特徴は表1の通りです。詳しくは診察時にお話しします。
表1
腹腔鏡手術 | 前方アプローチ | |
---|---|---|
麻酔 | 全身麻酔 | 腰椎麻酔 |
創 | 臍部2cm+左右腹部5mm | 鼠経部約5cm |
入院日数 | 約4日 | 約4日 |
その他 | 対側の治療も同時にできる | 術後腸閉鎖のリスクがない |
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