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nurse_days ナースの日々

ラダーⅠトライ者研修 標準看護計画研修

10月15日にラダーⅠの「標準看護管理研修」が行われました。講師は、看護部記録委員の病棟係長・主任とパス委員の病棟科長が務めました。

標準看護計画と看護計画について

まずは、標準看護計画の講義から研修はスタートしました。

  • 標準看護計画:疾患や病態あるいは治療や検査ごとに想定される一般的な看護問題と
           看護計画をリスト化したもので、病院や施設ごとに作成される

この研修の目的・目標は、標準看護計画や看護計画の成り立ちについて学びを深めることと、学びを日々の看護実践と関連付けて考え、看護計画が立案できるようになることです。

看護過程とは?

看護過程は、個別的な看護を行うために展開する必要があります。
看護過程を展開することで初めて、一人ひとり異なる患者さんの反応に着目し、患者さんの個別的な問題に対して看護を提供できるようになります。
看護過程は、

  1. アセスメント
  2. 看護診断
  3. 看護計画
  4. 看護の実施
  5. 評価

の、5つのプロセスから成り立ちます。この5つのプロセスはそれぞれが関連し合いながらつながっており、一度実施したら終わりというわけではなく、ケアを行いながら患者さんの状態をアセスメントし、看護計画を考えていくというように繰り返し行っていきます。

NANDA-I看護診断

次に、NANDA-I看護診断について学びました。NANDA-I看護診断とは、さまざまな健康状態や生活で起こることに対して、患者さんが見せる反応について独自に行う判断です。

  • 分類法: 領域・類・看護診断の3階層
  • 種類・構成要素: 4つの種類
       ①「問題焦点型看護診断」:看護診断名・定義、診断指標、関連因子
         ※定義が合致し、診断指標が1つ以上あてはまり、関連因子が1つ以上あて
        
      はまる場合
       ②「ヘルスプロモーション型看護診断」:看護診断名・定義・診断指標
         ※定義が合致し、診断指標が1つ以上あてはまる場合
       ③「リスク型看護診断」:看護診断名・定義、危険因子
         ※定義が合致し、危険因子が1つ以上あてはまる場合
       ④「シンドローム」
  • 多軸システム: 7つの軸
       ①診断の焦点、②診断の対象、③判断、④部位、⑤年齢、⑥時間、⑦診断の状態

看護計画を電子カルテで立案してみよう

学んだことをふまえて、実際に電子カルテで看護計画を立案する方法を学びました。

  • 患者さんを主語にして患者目標を立てること
  • 患者さんの個別性を意識した看護計画を立てること
  • 看護ケアや目標の追加をする際は曖昧な表現は使わずに、数値を用いて、時間・回数・量などの単位で具体的に表現をする

というポイントを学び、二人ペアになって事例をもとに実際に立案まで取り組みました。

クリニカルパスについて

  • クリニカルパス:同じ疾患や治療を受ける患者さんが退院するまでにたどると考えられ
            る臨床過程と、そこで提供すべき治療・看護を時系列に並べ、スケジ
            ュール表にまとめた標準計画のこと

この研修の目標は、クリニカルパスの成り立ちがわかること、クリニカルパスと日々の看護実践と結び付けて考えることです。

    メリットとデメリット

    メリット
    1. 医療の質の向上: 治療の標準化
    2. インフォームド・コンセントの充実: 診療内容、目標の明確化
    3. 業務効率化:診療の問題点を明確化
    4. 在院日数の短縮:効率的な治療、看護の提供を可能にする
    5. 業務の明確化:適切なケアの実施、チーム医療の強化、情報共有による連携の促進・強化

    デメリット
    1. パスに依存し、患者さんへの注目度が薄れる
    2. バリアンスの対処が難しい
    3. 複数の疾患を持つ患者さんなど個別性、特異性への対応は難しい
          

    バリアンスとは?

    また、パスはあくまでも標準計画なので、計画からずれることがあることを学びました。

    • アウトカム:期待される結果や望ましい成果のこと
    • バリアンス:アウトカムと現実の結果の差異のこと

            標準的な治療経過から外れている状態のこと

    良い方向に外れる正のバリアンスと、悪い方向に外れる負のバリアンスがあります。
    また、①変動 ②逸脱 と種類があり、逸脱時の具体的な対応についても学びました。
    バリアンスは、患者さんの個別性の発見に役立てることや、責任の所在を明確にしたり、データとして活用することもできます。
    そして、継続的にパスの見直しを行うことが医療の質の向上には必要だと学びました。

    研修の振り返り

    研修後に、振り返りと感想を考え、講師や指導に携わった係長や主任と共有しました。

    • 看護計画を立案する際、これまでは既存の選択肢の中から取捨選択を行っていました。個別性に合わせた内容を自分で作成して追加できることを教えていただいたのは、とても有益な情報でした!
    • 入院患者さんの看護問題を立案する際には、優先順位を考え、重要なものから順に#1から立てることを忘れずに行おうと思います。また、個別性のある看護問題を立てることを意識していこうと思います。
    • 看護問題で#1を考える時など、主訴や疾患から考えたりすることが大事だと思いました。パスも逸脱してないか確認してから評価しようと思います。
    • 個別性の大切さや必要性を感じました。


    振り返りや感想を参考に、今後もより良い研修を行い、看護実践者としての成長を目指してまいります。

    当院は「患者参画型看護計画」を導入しているので、看護計画は立てるだけではなく、
    患者さんやご家族にきちんとケアについて説明し、
    患者さんの療養上の目標が達成できるよう支援してまいります。

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