台東区看護部長会 教育担当者主催『認知症ケア研修』
9月20日にラダーⅠの「輸液・シリンジポンプ研修」が行われました。講師は、当院の医療機器安全管理者である臨床工学士が務めました。この研修の目的は、輸液・シリンジポンプの取り扱いや使用基準がわかることと、当院のインシデントレポートからどのようなトラブルが起こるのかを研修の場で、皆で実際に経験してみることです。
まずは、取り扱いや使用基準など概要の講義から研修はスタートしました。
輸液ポンプは、容量の大きな輸液バッグを、長時間で連続的に注入することに適しており、精度は±10%、シリンジポンプは、注射器(シリンジ)で少ない量の薬を正確に注入することに適しており、精度は±3%です。流量精度の違いはポンプ選択の重要な要素となります。
また、医療安全マニュアルに掲載されている使用基準を確認し、特定の医薬品の場合、必ず輸液・シリンジポンプを使用することを学びました。
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、医薬品や医療機器の品質、有効性、安全性を確保し、国民の健康を守るために制定されました。医療機器の添付文書は、安全で効果的な使用を確保するために非常に重要であり、下記のような事項が詳細に記載されています。
具体的な機器について知りたい場合、その機器のメーカーや販売元のウェブサイトで添付文書を確認できると解説があり、実際に皆で検索をして医療機器の添付文書の警告や禁忌・禁止事項、使用方法の記載内容について確認しました。
アンチフリーフロー機能は、クレンメの閉じ忘れにより輸液剤が大量投与されるフリーフローを防止するために、輸液ポンプンのドアを開けると自動的に輸液ラインのクリップが閉じる機能です。システム自体による安全性が担保されていることをは安心ですが、ポンプのドアを開ける際は、必ずクレンメを閉じることを実技でも確認しました。
輸液ルートの屈曲・圧迫による閉塞アラームが実際にどのくらいの時間で鳴るのかを確認しました。また、刺入部がずれて腫れている場合や高齢者や小児で皮膚のスペースに輸液が血管外漏出した場合、アラームが鳴らないことを学びました。アラームが鳴っても鳴らなくても、必ず刺入部やその周辺部位を観察することが大切だと教わりました。