臨床検査科

臨床検査科

臨床検査科の方針

「病院の理念・職員の行動規範を基に、臨床検査を通じて患者様への恩恵を旨とし、チーム医療に貢献する」


概要

臨床検査科は患者様から採取された検体を扱う検体検査、細菌検査、病理検査、患者様を直接検査する生理機能検査を行っています。現在、臨床検査技師34名(常勤31名)と受付事務4名が各部門を担当し、検体が正しく採取されているか、得られた結果が信頼性の高いものか常に確認しながら、迅速に臨床へ結果を報告できるように心がけています。また臨床検査の進歩はめざましいものがあり、積極的に勉強会や学会に参加することで最先端の検査が実施できるように日頃より努めています。

検体検査

  1. 一般検査
    一般検査では主に尿検査と便検査を行っています。
    尿検査は分析機や顕微鏡を使って、尿中の成分(糖・蛋白・潜血など)や細胞を測定しています。また、妊娠反応も行っています。
    便検査は便潜血や寄生虫などを調べています。
    その他に胸水、腹水、髄液、関節液、肺胞洗浄液、精液などの検査も行っています。

    尿の自動分析装置
       


    顕微鏡で尿中の細胞をみています

    →尿検査、便潜血検査検体採取の注意点、採血受付時間はこちら


  2. 生化学・免疫・その他検査
    生化学検査は、血液を遠心分離した時に得られる上澄み成分(血清)や、尿を使用し、肝機能、心機能、腎機能、各種蛋白成分、脂質代謝検査等を行っております。また、免疫検査ではB型・C型肝炎ウイルスや梅毒などの感染症検査、甲状腺ホルモンなどの内分泌検査、癌などで異常値を示す各種腫瘍マーカー、血液中の薬物の濃度などを測定しています。
    一部のウイルスや細菌(インフルエンザ、アデノ、ロタ、溶連菌など)は、簡易キットを用いて迅速に結果を出して、患者様の疾患を診断するのに役立てています。
     
    生化学検査・免疫学的検査の自動分析装置
     
    ウイルスの迅速検査キット

     テストライン(T)が出ているヒトメタニューモウイルス(hMPV)が陽性です


  3. 血液検査
    血液検査は、採血された血液を自動分析装置で測定し、赤血球数、白血球数、血色素量、ヘマトクリット値、血小板数などを調べます。異常がある場合、塗抹標本を作り顕微鏡で赤血球の形態や白血球の分類を行っています。
    また、骨髄検査等を行い、白血病などの血液疾患の診断や治療効果の判定に役立てられます。凝固検査は血液が固まるまでの時間を調べるもので、手術前の検査としても行われます。

    血液検査・凝固検査の自動分析装置


     

     
    顕微鏡で血液中の細胞分裂、形態の確認をしています


  4. 輸血検査
    輸血に必要な血液型、不規則性抗体、交差試験などを行っています。また、輸血用血液製剤の管理なども行っています。
    また自分の血液を事前に採血、保管し手術時に備える自己血の管理も行っています。


     
    輸血検査自動機器                                     輸血予定の方の血液製剤を保管・出庫しています

2階採血室では、患者様に採血、採尿をしていただき、隣の検査室で迅速に検査を行っています
   

         

各検査項目についてはこちら

 
                    

病理検査室

病理検査

病理検査室では、病理組織検査・術中迅速診断・細胞診検査・病理解剖を行っています。

  1. 病理組織診

     内視鏡や手術などで採取された組織を標本にして顕微鏡で観察します。

     病変が良性か悪性かの鑑別や、癌の広がりや転移の有無といった進行度の決定などを行います。

  2. 術中迅速診断

     手術中に組織の一部を採取し、標本にして顕微鏡で観察します。

     おもに病変が良性か悪性かの鑑別や、病変部が取り切れているか、転移がないかなどを調べます。

     この結果により手術方針が決定されます。

  3. 細胞診検査

     尿・喀痰・体腔液などに含まれる細胞や、病変部から擦過・穿刺などにより採取された細胞を標本にして顕微鏡で観察します。

     腫瘍性病変を疑う細胞の有無や、良性か悪性かの鑑別などを行います。

  4. 病理解剖

      亡くなられた患者様のご遺族の承諾のもとに行われます。死因を明らかにするためや、診断や治療効果の検討などのために行います。
    これらの結果は、今後の診断・治療といった医療の発展に大いに役立たせて頂いております。

     
    組織を薄く切って標本を作製しています                          作成した標本を顕微鏡で観察しています

細菌検査室

細菌検査

細菌検査室では、患者様から採取された検体(喀痰・尿・便・膿・血液など)を培養し、どのような原因菌がいるかを見つけ出し、その菌にどの抗生剤(抗菌薬)が効くかなどを調べています。
また、新型コロナウイルスのPCR検査、抗原検査も行っています。
 
尿や痰などの検体を培地に塗ります                                          数日培養した培地をみて原因菌を推定します

 
顕微鏡でどのような菌がいるか観察します                               新型コロナウイルスPCR検査も行っています

生理検査室

2階生理検査受付 
エレベーターを降りてすぐ左手にあります

生理検査

主に、心電図・脳波・肺機能・超音波・聴力・筋電図などの検査を行います。

  1. 心電図検査
    心筋の収縮に関連した電気の変化を波形として記録し、心臓病の発見や診断・病状の把握・治療効果の確認等に欠かせない検査です。
    不整脈、心筋梗塞や狭心症などの診断に有用です。

    心電図検査室

  2. 負荷心電図

      階段昇降などの運動により心臓に負荷をかけ、このときに現れる胸痛などの症状や心電図変化を確認し、虚血や不整脈の判定をする検査です。

  3. ホルター心電図

      両腕・両足に血圧計を巻いて検査します。動脈硬化、特に閉塞性動脈硬化症の診断に有用です。

  4. 血圧脈波検査(PWV/ABI)
    肺活量、換気能力、気道の異常、肺拡散能力などを調べる検査です。喘息や肺気腫の診断などに有用です。

  5. 脳波検査
    脳からの電位の変動()を記録します。てんかんなどのけいれん性疾患の診断に有用です。

  6. 肺機能検査
    1.   肺活量、換気能力、気道の異常、肺拡散能力などを調べる検査です。喘息や肺気腫などの呼吸器疾患の診断に有用です。

      マウスピースを口にくわえ、息を吸ったり吐いたりして行う検査です。

  7. 超音波検査
    1.   心臓、腹部、乳腺、甲状腺、頸動脈、下肢動・静脈等様々な部位を超音波によって検査します。放射線を使用しない検査のため、被爆の心配が無く、体への負担が少ない検査です。そのため、小さいお子様や妊娠中の方でも安心して検査を受けることができます。

      検査部位にゼリーを塗り、探触子を当てて検査します。

    超音波検査室 心臓、腹部など様々な部位を検査しています

  8. 聴力検査
    防音室にて「きこえ」の検査をします。難聴等の診断に有用です。

  9. 筋電図検査
    神経や筋肉の障害をみる検査です。検査の種類によっては痛みを伴う検査です。

  10. 尿素呼気検査
    診断薬を服用し、薬の服用前後の呼気を集めて診断します。ピロリ菌感染の診断に有用です。

  11. 終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)

  睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の診断に有用です。

  脳波、鼻からの気流、筋電図、血中酸素飽和度などの生体活動を一晩にわたって測定します。
   
                                                          

有資格者

認定資格 取得者
細胞検査士 2名
国際細胞検査士 2名
認定血液検査技師 2名
認定臨床微生物検査技師 1名
感染制御認定臨床微生物検査技師【ICMT 1名
糖尿病療養指導士 1名
認定心電検査技師 1名
緊急臨床検査士 3名
超音波検査士 取得者
消化器領域 2名
循環器領域 1名
体表臓器領域 2名
健診領域 1名
二級臨床検査士 取得者
血液学 4名
病理学 2名
微生物学 2名